信用残、信用倍率を見ておこう。


東証一部だけでも企業数は今や2,000以上となっています。これらの中から仕掛けていきたい個別銘柄選ぶとき、全体相場の把握やチャート分析をするのはもちろんですが、それ以外にも大切なことがいくつもあります。

 

チャート上に現れてこない、個別銘柄に固有の重要な指標が信用倍率です。
信用倍率は、銘柄の個性(上げやすいか下げやすいか)を決める指標ですので、必ず覚えておくべきです。仕掛けの際には、基本動作として必ず見るようにしたいものです。

 

信用倍率とは、その銘柄に関する信用取引での「売り」「買い」の割合のことです。式で表すと、「信用倍率」=「信用買いの残高」/「信用売りの残高」、ということになります。例えば、信用倍率=2.0と言えば、信用売り残に比べて信用買い残が2倍あるということです。

 

なぜ、この信用倍率が大事なのか。それは、信用取引の性格によっています。

 

信用取引は基本的に半年以内に決済しなくてはなりません。信用取引で株を買えば、半年以内に売り決済しなくてはならないということ。信用売り=空売りの保持も半年が限度です。半年以内に必ず買い戻さなくてはなりません。

 

信用買い残が多ければ、その分の決済売りが近い将来多く出るといういうことになりますし、信用売り残が多ければ反対に買い戻しが多く出るということになるわけです。

 

つまり、信用買い残が多い銘柄は株価が下がりやすいと想定できますし、信用売り残が多い銘柄は株価が上がりやすいと考えられるわけです。

 

多くの人にとって「株は買うもの」ですから、一般的に信用倍率は1倍よりは高いのが普通です。要するに、空売り保持している人より買い保持している人のほうが多いということです。また、「買い」という意味では、「買い」は信用買いだけではなく現物買いもあるのはもちろんのこと。ですから、実際には、信用倍率以上に買いの量は多いのです。

 

注目すべきは、信用倍率が1より低い銘柄です。つまりは空売り保持の残が多い銘柄。これは、「株は買うもの」に反して空売りが多くなされているということで、一般論からいうと普通ではないということになります。空売りは信用取引だけですから、近い将来必ず買い戻しということになります。特に、この銘柄の株価が上昇しているにもかかわらず信用売り残が増えているとなれば、空売り保持の人たちがナンピンを繰り返している状況が見て取れるわけです。そして、この信用売り分が一気に買い戻されれば、株価は一気に上昇します。

 

信用売り残の大量の買い戻しによる株価の急上昇のことを「踏み上げ」と言います。

 

空売りは個人トレーダーにとって非常に有利な手法ですが、この「踏み上げ」にはよくよく注意しておきましょう。仕掛けの前には信用倍率を見ておかないと、とんでもない逆襲に見舞われてしまいます。チャートの形からは絶好の空売りチャンスの形に見えても、信用売残が多い場合は、なかなか下げにくく、保持しているうちに一気の踏み上げを喰らったりするものです。

 

急上昇となった銘柄を「上がり過ぎ」と見て空売りするのも要注意。まずは、信用倍率を見てからです。

 

また、大量の空売りがあって売り残が増加すると市場全体にその銘柄の貸株が不足します。すると、通常の貸し株金利とは別に「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という追加の利息がつくことがあります。この逆日歩が付いた銘柄を空売りすると、保持してる日数分だけ利息がついてまわります。これも要注意。信用売り残が多い銘柄の場合は、逆日歩がついていないかどうかも見ておく必要があります。

 

私は仕掛け候補の銘柄を探す場合、まずその銘柄の信用倍率を見ておきます。習慣的にそのようにしています。そうしておけば、慢性的に信用売残が多い銘柄などが自然と頭に入って来ます。チャートの形の前に、まずその銘柄が上げやすい銘柄なのか下げやすい銘柄なのか知っておくべきだと思います。

 

信用残は、週に一度火曜日(第二営業日)の大引け後に発表されます。なので、週足チャートを見ると、信用買い残と売り残の推移がわかるようになっています。週足チャートで表示できるようにしておいてください。

 

信用残とは別に、「証金残」と呼ばれる毎日の「日証金貸借取引残高(日証金残)」というのもあります。とてもややこしく思うかもしれませんが、こちらは相場のある日の当日の夜に速報が出ます。証券金融会社を通じた融資、貸株の分だけのデータなので、「信用残」のような全体性・網羅性はないですが、日々の動きの目安としては活用できます。

 

もちろん、信用残だけでは売買の判断はできません。また、信用残を見たうえであっても、あえてそれに反する仕掛けをすることもあります。ただ、信用残は銘柄の個性です。その銘柄が上昇しやすい性質にあるのか下降しやすい性質にあるのか、それは意識しておいたほうが、余計なトラブルに巻き込まれない分有利です。

 

仕掛ける前には忘れずに、信用残を見ておきましょう。

 

 

参考記事

→ 「その他の指標

 

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2008年頃から株式投資を自己流で開始。2010年に専業を目指してサラリーマン人生に終止符。しかし、トレード本を読みまくるも、まず大損。自己流の限界を感じる。なけなしの金をはたいてトレード学校に通いまくり、仲間のトレーダーと交流しまくる。それでも、半年もたたぬ間に再び大損。そしてさらに、1年後に大損。もうどうしようもないと割り切ってから、なぜか少しづつ芽が出始め、この数年で完全復活し現在に至る。「損切りさえすれば専業も十分できる」を体現している。

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