まずはトータルプラスを目標に。


私がトレードを始めたときに思ったことは、トレードで途方もなくお金を儲けたいということでした。これは、トレーダーなら誰もが持つ夢ではないでしょうか。

 

トレードの勉強を始めてから程なくして、BNF氏なる著名トレーダーが現れました。当時でも、ほぼ株のスイングトレード、デイトレードだけで数十億円もの財を独力で築き、その後200億円まで増やし続けたカリスマトレーダーのはしりです。

 

私は、テレビなどに登場するBNF氏を見て、トレードの魅力や将来性を強く感じて本格的にのめり込んでいったのです。努力次第では、自分もBNF氏のようなトレーダーになれると信じていました。

 

私の場合、このことでかなりトレーダーとしての成長にブレーキがかかってしまったようです。あまりにも大きすぎる夢を現実に考えてしまったために、日常的な損切りに嫌悪感を抱いてしまったのです。損などしている場合ではない、早く大きな利益を手にしなければ・・・という焦りです。そして、損切りの技量もないままに大きなロットで相場に入っていき、散々な目に合うのです。

 

振り返ってみれば、この経験はかえって良かったのかもしれません。損切り失敗の痛みを骨の髄まで味わうことで、もう絶対に損切りは欠かさないと思うことができましたから。

 

でも、最初から夢など見ずに的確に自分に合った方法でトレードを捉えていればどうだったのか?もっとスムーズに成長できたのでしょうか?

 

そこは、本当によくわからないのです。その方が良かったのかどうか。ただ、確実に言えるのは、今のところ私はBNF氏のようにはなっていないということです。自分が夢見ていた理想の通りにはいかなかったということです。また、今後も多分なれないだろうということ。

 

大きくは、圧倒的に能力の問題でしょう。BNF氏のトレード手法はあまりつまびらかにはされていませんが、私には大きく資金を増やすようなトレードをする能力がないと思っています。それは仕掛けと仕切りの回転数を上げるスピードかもしれませんし、一度にたくさんの銘柄を仕掛けることかもしれませんが、いずれも私には持ち合わせがないものです。

 

自分の経験でいうと、トータルプラスを継続的に達成するのは、ある程度誰にでもできることだと思います。チャート分析といっても、レベルとしてはおそらく中学校の図形の勉強がわかる位のことだと思っています。具体的には、仕掛けの基本と正しい損切り、それだけでどうにかなる世界です。人としてごくごく普通の能力でクリヤできるレベルです。

 

でも、そのトータルプラスの規模をどこまでも大きくするというのは、また違う能力だと思います。

 

BNF氏は、聞くところによれば株以外には趣味を持たない人だったようです。
食事も立ち食いソバやカップラーメンで何の不満もない様子がテレビで放映されていました。トレードを続けるモチベーションについては「とにかく損をしたくない」とのコトバが印象に残っています。そんな生き方が、前人未到のトレーダー魂を創り上げたのだと想像できます。私など欲深い人間には、およそ想定の範囲外の領域です。

 

能力というのは、トレードに必要な分析力や理解力、PC操作に必要な瞬発力や反射神経だけでなく、考え方や生き方、思想とか信条、環境など、その人の全人格的な要素も含めてのものだと思います。能力を全部ひっくるめて、さらにその上偶然にも恵まれなければ、圧倒的に抜きん出た実績を出すことはできません。私には、そんな圧倒的なものが備わっているとも思えません。
だから、私の場合はBNF氏と同じアプローチではうまくいきません。別のやり方を採る必要があるのです。それが私独自の手法になるのでしょう。そこには、私自身の育ち方やこれまでの人生すべてが影響していくはずなのです。

 

トレードと一口に言っても、本当に人それぞれ、その考え方は様々です。たとえば、利益額の拡大をひたすら指向するのもひとつのやり方ですが、一方で毎月一定の利益額を目標とするのも目指すのもひとつ。あるいは、専業トレーダーとなるのもひとつなら、サラリーマンとしての収入は安定的に得ながら余裕資金での副収入をトレードに求めるのもひとつです。

 

良い悪いの問題ではありません。その人なりのトータルプラスを達成した上でのトレードスタイルであればいいのです。さらに、そのスタイルがその人の生活の中で位置づけられていればいいと思います。

 

重要なことは、トータルプラスが達成できるということです。これがないと、継続性という点で、トレードが生活には根付くには無理があるのです。

 

トレードを始めたら、まずはトータルプラスを目標にすることです。始めはそれで充分です。よほど才能があると信じている場合以外は、大きなプラスを最初の目標とすると、まずは上手くいかないばかりか、おそらく「損切り」に対して非常にマイナスなイメージを抱くことになります。そして、その損切りに対するイメージが、トータルプラスから自分を遠ざけてしまうのです。

 

その先にどんな夢があろうとも、トータルプラスが第一の到達点だと考えてください。次の風景は、そこで必ず見えてきます。

 

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2008年頃から株式投資を自己流で開始。2010年に専業を目指してサラリーマン人生に終止符。しかし、トレード本を読みまくるも、まず大損。自己流の限界を感じる。なけなしの金をはたいてトレード学校に通いまくり、仲間のトレーダーと交流しまくる。それでも、半年もたたぬ間に再び大損。そしてさらに、1年後に大損。もうどうしようもないと割り切ってから、なぜか少しづつ芽が出始め、この数年で完全復活し現在に至る。「損切りさえすれば専業も十分できる」を体現している。

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