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「軽い気持ち」が損切り失敗を生む。

「トレードの利益が安定的に出るようになって、しばらくの間はうまくやっていた。なのに、何かの拍子で損切りをせずに持ち続けてしまった。損切りラインは決めていたのに、そこを過ぎでもいいやと考えてしまった。」

 

これは、トレードを続ける中で誰にでも起こりうる出来事です。
私にも、こういう経験があります。

 

勉強も実践も十分に積んで、損切りも特に躊躇もなくできるようになり、損切りに失敗するなど考えられないと思っていたのに、なぜ、普段通りに損切りできないようなことがあるのか。

 

私の場合は、もう数年以上も前のことです。その時の心の動きがどうであったのか、はっきりとは思い出すことができません。ただ、覚えているのは、軽い気持ちで仕掛けたのに案外な損失になってしまったなあということです。

 

念のため、その頃のトレード日誌を読み返してみました。

 

それは、とある有名な銘柄の買いのトレードでした。200円台の低位株でしたが、当時ちょっと注目されていた銘柄で、デイトレードでの仕掛け。ちょっと取れればいいやというスキャルピングに近い狙いで仕掛けたものだったようです。

 

日足のチャートは、買いで仕掛けられるような形ではなく、むしろ下落の形。分足の動きの中で買いサインが出たので仕掛けたということのようでした。この銘柄は、連日の乱高下でデイトレーダーからは注目を集めていて、大きな動きの中で少しだけなら取れるだろうと楽観していたと考えられます。

 

そして、分足でその日の高値ラインを抜けたブレイクで買いで仕掛けていったのです。数分の間で、ほんの数ティックだけサクッと利益を取って軽く終わりにするつもりの仕掛けだったと思います。数ティック取れればいいというトレードでしたので、株数は大きく張りました。まずは、それがいけなかったと思います。

 

仕掛けの結果は、高値パーティション抜けのダマシでした。私は、高値つかみの状態に陥りました。そして、株価は急速に下がり、一瞬にして利益にするつもりが、一瞬にして含み損が生じてしまったのです。5~6ティックほど下に損切りラインを設定していたので、本来なら即損切りという場面でした。

 

しかし、仕掛けた株数が大きく、その分大きな損失を生じてしまったために、すぐには損切りできなくなってしまったのです。それにも増して、損切りラインよりはるか下で、同じ株数のナンピンに出てしまったのです。

 

ナンピンした後、少しは反発して、全部手仕舞いしようかというラインまで上昇はしたようです。そこで手仕舞いできていれば、損失はまだ少なくて済んでいたと思いますが、結局、そのまま持越しにしてしまいました。軽い超短期のデイトレードのはずが、スイングトレードになってしまったのです。

 

そして、それ以後この株価の水準に戻ることはありませんでした。およそ2ヶ月もの間保持し続けました。できるだけ思い出さないようにしていましたが、もともと、日足チャートでは買いの形ではありませんでしたから、自分が望んだ方向に上昇することもなく下落していきました。もう駄目だと思って損切りした時には、かなりの損失となっていました。

 

損切り失敗には、多くの原因があります。

 

仕掛けの側での原因としては、
●日足を無視している
●軽い気持なので検討が甘い
●利益だけを考えた株数の大きさ
●仕掛けにくい不安定な乱高下という環境
・・・・というのが挙げられるでしょう。

 

手仕舞いの側での原因としては、
●甘い検討の中で利益しか考えていない
●覚悟をもって損切りラインを決めていない
●ナンピンの採用
●含み損という理由だけでデイからスイングに時間軸を変えた
・・・・。

 

大きくまとめれば、要するにトレード計画がまるでなっていない、ということです。

 

確かに、デイトレードの場合であれば、時間的制約が大きいので、しっかりとしたトレード計画よりも仕掛け自体が優先されることもあろうかと思います。

 

けれども、それは十分に熟達したトレーダーだからこそできることなのです。実情に即して言うなら、熟達したトレーダーならば、しっかりとしたトレード計画が一瞬にして頭の中で展開するのです。決してトレード計画が不十分なまま仕掛けるわけではありません。

 

トレードで仕掛けるということは、損失のリスクを負うことと同義語です。その覚悟がないならば、仕掛けるべきではありません。

 

損切りを失敗するトレーダーには、そのことが分かっていないのです。結果として、利益のみを追いかける、リスクを負う覚悟のないトレードになってしまう、ということなのです。

 

利益だけではトレードに成り立ちません。損失があって初めて全体としてのトレードが成立します。損失はリスクしか知れませんが、トータルで利益を出すためには絶対不可欠のリスクなのです。

 

そこが理解できないと、利益一辺倒のトレードになってしまいます。利益を考えるだけでは、計画不十分な仕掛けとなるわけです。

 

軽い気持ちでトレードに臨むとき、トレーダーは利益のことしか考えていません。それゆえに損切りができなくなります。うまくいっている時ほど、気持ちは軽くなります。そして、損切りができなくなるのです。

 

相場では、なんでも起こり得るのです。だから、どんな場面でも損失がありうるのです。よく考えてみれば、当たり前のことなのです。しかし、心が軽くなれば、この当たり前のことが飛んでしまいます。

 

だから、何度でも改めて考えなおすことが必要です。でないと、ちょっとの利益のつもりが、とてつもない損失になってしまいます。

 

 

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いつも空売りを考える。

株は誰もが「買う」ものと思っています。それゆえ、株のトレードは買いと空売りが平等な関係ではありません。市場参加者のほとんどは買いで仕掛けを考えています。空売りを考えるのは一部のトレーダーです。しかし、だからこそ、一般個人トレーダーにとっては空売りのほうが有利な状況があります。

 

もちろん、単に見込める利益の額だけを考えれば空売りよりも買いのほうが有利です。空売りで儲けられるのは現在株価の分だけですが、買いならば現在株価の何倍にもなる場合があります。また、損失額の可能性を考えても理論的には空売りが不利になります。それゆえ、資金豊富な大口の機関投資家が空売りを考えるというのはかなり限定的なことかと思います。

 

では、なぜ個人トレーダーにとって空売りが有利なのか?

 

長いものには巻かれろ、ということわざがあります。市場の中では個人の資金力などたかが知れています。少ない資金力で利益を取っていこうとすれば、一番いいのは大口の戦術に乗っかることです。大口と同じタイミングで売買できれば、大口と同じように利益を手にできる、というわけです。チャートを読むテクニカル分析も、根本的には大きな資金の動きを追いかけて需給の流れをつかむもので、大口に追随するためのツールだといってよいでしょう。

 

ただ、大口と同じタイミングで買いチャンスを追いかけるのは、企業分析力や情報力の点で個人には限界があります。もちろん買いも戦術のひとつではありますが、分かりやすいのは大口の決済売りのタイミングに合わせて空売りで仕掛けていくことです。大口の手じまいの場面が個人の仕掛けの場面になるというわけです。

 

大口がいつ買うか?これはなかなかわかりません。買わない可能性だってあるわけですから。しかし、いったん買ってしまえば、いつかは必ず売らなくてはなりません。また、買いに比べて売りは一気になされます。だから、買いよりも売りのタイミングのほうが読み取りやすいし、ダマしも少ないのです。

 

大口にとっての理想的な姿は、株価が上がってしまう前に買いを仕掛け、天井圏で決済売りすることです。十分に株価が上がったところを狙って、もうこれ以上上昇が見込めないところで一気に決済したいはずです。大量の株を売り決済するためには、それに見合うだけの買い注文がなくてはなりません。だから、加熱したところを狙って売ってくるでしょう。

 

一方、意に反して買った株の値が下がってしまったときには、ラインを決めて損切りに入るでしょう。この場合は待ったなし。様子を見るより先に決済重視で売ってくるはずです。

 

大口に合わせた空売りは、その利益確定や損切りのラインに合わせて仕掛けていけばうまくいく道理です。機関投資家などの大口が、もうこれ以上は上がらないと思うであろうポイントが空売りのチャンスになるわけです。

 

とりわけ、大きなチャンスになるのは大口の損切りでしょう。ここでは、大きな受け皿となる買いがありませんから本当に大きく下げていきます。それは例えば上昇相場から下降相場への移行の時の75日移動平均線割れ。そこでは、大口を始めとして多くの買い保持玉が手放されます。そしてそれが下降相場入りの合図になります。右のチャートは、典型的な下降相場入りのチャートの形です。上昇相場から、75日線が横ばいになり株価がこれを割って一気に下げていく様子がわかります。

 

また、いったん下降相場に入って75日線が下向きになってしまうと、その下向き75日線から株価は下に放れては戻ってくるという波動を繰り返します。したがって下向き75日線付近まで上昇してくる値を待ち構えて空売りを仕掛けるということになります。下降相場で株価の底を見極めるのはとても難しいことです。ここが底だと思って買い仕掛けても、さらに下降することがしばしばです。下降相場での買いはなかなかできません。下降相場では75日線を目安にした空売りで仕掛けていきたいものです。

 

空売りは、うまく使えば個人トレーダーの大きな武器になります。もっと言うなら、個人トレーダーは基本戦略として買いよりも売りを重視していくことをお勧めします。どんな相場でも空売りのチャンスを見つけようとする中で、買いのスキルも上がっていきます。「いつ空売りするのか」。それを常に考えることで、逆に買いのタイミングもわかってくるのです。

 

せっかくトレードを始めたならば、早い段階から空売りの視点を持ってください。空売りこそが最も大きな利益の源泉になりますから。

 

 

参考記事

→ 「空売り

 

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損切りの後にやる気スイッチを入れるな。

損切りとメンタルの関係を非常に重視するトレーダーがいます。しかし、損切りをきちんと実行することとメンタルはあまり関係がありません。損切りできないことをメンタル強化で解決しようとするのはお門違いです。メンタルをいくら強化しても、自分が決めた損切りラインのテクニカル的な根拠に自信が持てない限りは大した効果はないでしょう。損切りできないのは勉強や成功体験が足りないからであって、自分の性格のせいにしてはいけません。
(成功体験を得るためには「損切りできない理由」をご参照。)

 

損切りとメンタルの関係を語るなら、むしろ損切り実行後の心のあり方についてだと思います。

 

トレーダーは損切りを実行すると、何とか取り戻そうと考えます。そして、仕掛けに対して猛然と前向きになります。俗にいう「やる気スイッチ」が入った状態ができあがってしまいます。一般的に、競馬でもパチンコでもギャンブルで負けている人は負けを取り戻そうとしてどんどん深入りしていしまいがちです。トレードも同じです。損失が大きければ大きいほど、やる気も比例して大きくなります。

 

適度なやる気ならば何の問題もありませんが、トレードでは必要以上のやる気は大変なマイナスになります。

 

必要以上のやる気を持つと、自分に対しても相場に対しても客観的でなくなります。いつもなら思いとどまる仕掛けを簡単に実行してしまうようになります。また、大した準備もしていないのに「エイヤ!」で仕掛けてしまいます。やる気によって客観性を欠くと、どうしてもリスク量よりチャンスの量が大きく見えてしまうのです。

 

客観的にトレードをしていてさえ、損切りが繰り返されることも多いのです。ましてや、客観性を欠いて自分の思い込みだけでトレードすれば結果が散々になるのは明らかです。最悪の場合は、理性を完全に失い頭が真っ白になり、自分から散々になるのを望んでしまうようなことも起こり得るのです。

 

これは、損切りに失敗した時だけでなく正しい損切りを実行できた時ですら起こります。損切りはいかに正しくても損失は損失ですから、普通に考えたら楽しいことはありません。どうしても取り返そうとしてしまうのです。せっかく正しく損切りできたのに、取り返そうとするメンタルのコントロールに失敗して、不要な仕掛けをしてしまうのは、本当にもったいないことです。

 

実は、このメンタルの動きは損切りの時だけでなく利益確定の時も同じ動きをします。損失が出ても利益が出てもトレーダーの心は当然に動きます。利益が出たら出たで、トレーダーは俄然やる気になるものです。儲かった事実を背景に「もう一丁!」をやってしまうのです。

 

ギャンブルでは、儲かったらそこで終わりにするのが定石です。ついつい気が大きくなって、ついでにもう一つまでを狙おうとすると、それが地獄の第一歩だったりしますので要注意なのです。リスクが限定されたギャンブルならそれでもいいのでしょうが、トレードのリスク限定はとりあえず損切りだけがその手段です。トレードはギャンブルだとは思いませんが、偶然の影響する割合も大きいと思いますから、ギャンブル的な側面もあります。くれぐれも留意するべきかと考えます。

 

損切りを実行したとき利益確定したとき、いずれにしてもスイングトレードの新たな仕掛けは少し待ちましょう。どうしても仕掛けたいと思っても、できればその日のうちの仕掛けはやめるべきです。たとえ、前もって考えて準備していたとしても。全体相場(日経平均)の状況、仕掛けの根拠、損切りのラインは最低限もう一度明確にしてやることです。

 

 

参考記事

→ 「損切りできない理由

 

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管理人: 損切り珍介

2008年頃から株式投資を自己流で開始。2010年に専業を目指してサラリーマン人生に終止符。しかし、トレード本を読みまくるも、まず大損。自己流の限界を感じる。なけなしの金をはたいてトレード学校に通いまくり、仲間のトレーダーと交流しまくる。それでも、半年もたたぬ間に再び大損。そしてさらに、1年後に大損。もうどうしようもないと割り切ってから、なぜか少しづつ芽が出始め、この数年で完全復活し現在に至る。「損切りさえすれば専業も十分できる」を体現している。

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